
セミナーやデンタルショー、コンサルティングの現場で皆様にお会いする際に、「なぜ、歯科医院専門のコンサルタントになったのですか?」「なぜ、プロボクサーになったのですか?」「中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格)の試験って難しいのですか?」「どうして、そんなにプラス思考なのですか?」というような質問を受ける機会に遭遇します。
このページでは、寶谷のことをもっと知っていただくために、過去の経験から思考プロセスにいたる背景を述べさせていただきます。
以下が私がこれまで経験してきたことです。
大学を卒業後、最初に経験したのは、資生堂グループの当時の新規事業であった医薬品関連の営業・販売企画業務です。
「資生堂=化粧品」というイメージが強い中で、新規事業である医薬品の販路拡大のための営業活動のためにドラッグストアや薬局・薬店を訪問しての契約活動を推進してきました。
仕事だけに取り組むよりも、仕事以外のことにもチャレンジすることで「人生において有意義な時間を過ごしたい」という思いから、資生堂での業務のかたわら、ボクシングジムに通いはじめ、2年後にプロライセンスを取得し、格闘技のメッカでもある後楽園ホールで3試合(バンタム級:53.5kg以下のクラス)を経験しました。
また、30歳になった際には、中小企業診断士の資格取得(わが国で唯一の経営コンサルタントの国家資格)のための勉強をはじめ1年後に合格。その後、日本最大のコンサルティング会社である株式会社船井総合研究所に転職、プロの経営コンサルタントとしての第一歩を踏み出しました。
そして、その後、現在の株式会社デンタル・マーケティングを設立することになります。
2007年には、クインテッセンス出版より、「3ヶ月で医院が変わる 勝ち組歯科医院経営55のポイント」が発売されております。
このような経歴の一端だけをみると全てが順調に推移してきたのではないかというように思われがちだと思います。
しかし、人生の節目で数々の挫折を経験しながら今日を迎えているのが実情です。
ボクシングや仕事への取り組みを通して、私の人生観、仕事観をお伝えしていきます。

大学を卒業して社会人となり、2ヶ月が経過した頃だった思います。
というような気持ちから、子供の頃、父親が好きでテレビをいっしょに観た記憶のあるボクシングジムに通い始めました。
学生時代にサッカー等の球技を経験したことはありましたが、格闘技は初めての経験で全てが新鮮でもあり、プロフェッショナルとして戦うことの大変さを味わった時期でもありました。
ボクシングは、互いのカラダを痛めあうスポーツですから、日頃から危険と隣り合わせです。
自分自身のカラダを守るために、毎日の練習は想像以上にハードでした。
毎朝1時間程度(10キロ程度)のランニング(ロードワーク)は、雨の日も欠かさずに5年間続けました。
仕事を終えてから(21時から2時間程度)のジムトレーニングもプロボクサーでいる間は、1日も欠かすことはありませんでした。
確かに練習も厳しかったのですが、これらの練習の厳しさや、仕事との両立のための時間的な制約以上に会社内での人間関係を円滑に保つことが大変だったように思います。
当時は、一般企業に勤務していましたから、上司や先輩、同僚、後輩達と、仕事が終わった後に「一杯いこうか・・・」という具合に、夜の付き合いをするのが一般的でした。
私以外の同期入社の面々は皆そうしていたはずです。
しかし、仕事だけに取り組んでいる同期入社の仲間たちと同じように夜のお付き合いをしていると仕事とボクシングとの両立ができるはずはありません。
「自分だけが取り残されるのではないか・・・」というような思いもありましたが、“何かを得たいと考えるのなら、何か捨てる勇気を持つことも必要である”と考え、将来振り返ったときに、この時代はこれに精一杯取り組んだと誇れることに集中して取り組もうと決意しました。
ですから、仕事が終わって、上司、先輩等から誘われた際には「私は、仕事とボクシングを両立していきたいと考えています。お誘いいただいてありがたいのですが、今の時期は、皆さんと同じようにアフタ-5を楽しむことはできません。時期をみて、また、お誘いいただけますか?」というようにお断りをするようにしました。
そうすると、仕事や練習が気になりながらお付き合いをするケースが多かった時期には、「付き合いが悪いな。成績が良くても付き合いが出来ない奴は駄目だ。」というように言われることが多かったのですが、決断をしてからは、「今しか出来ないことだから、思いっきり取り組みなさい。」という上司や、「試合はいつなの?応援しに行くよ。」と言ってくれる先輩、同僚、後輩が増えてきたのでした。
“何かを捨てる覚悟をした時に、得られることもあるのだな”とその時に痛感しました。
ボクシングというスポーツは、試合を1試合行うために厳しい減量をしいられ、3ヶ月間程度の想像を絶するような練習を積んで試合に臨みます。
それに対して得られる報酬は、わずか6万円(当時の4回戦ボーイの場合)です。
報酬だけをみると魅力の乏しいスポーツですが、このスポーツを通して得たことは、今の私にとってお金に換えがたい貴重な経験であった思います。
ある時、「早くメインイベンターになりたいね。強くなりたいね。」と言いながら練習に取り組んでいたボクサー仲間が、試合後に脳挫傷で命を落したという連絡が入りました。
その時ほど、“ヒトの命のはかなさ”を痛感したことはありません。
“死”を身近に感じる時期があったからこそ、“今を生きる”ということを真剣に考えることができるようになったのかもしれません。
たった一度しかいない人生なのだから、今を大切に、精一杯生きようと強く思えるのは、この時期の経験があるからこそだと思います。

次に、歯科専門コンサルタントとしてのある1日のスケジュールをご紹介していきましょう。
<歯科専門コンサルタントのある1日(大阪出張)>
・5:30 起床
・6:30 大阪へ向けて自宅(千葉県流山市)出発
~10:30 新幹線等で移動(事務作業、読書)
・11:00 クライアント(契約歯科医院)到着
・13:00 クライアント(契約歯科医院)の現状把握のために経営数値やオペレーションの確 認
・13:00 ~14:00 院長と昼食をとりながらの打ち合わせ
・14:00 ~15:00 ミーティング
・15:00 ~19:00 スタッフ、院長との打ち合わせ
・19:00 ~20:30 院長との打ち合わせ
・21:00 東京へ向けて出発
~24:30 新幹線等で移動(車内で明日の準備・夕食)
・25:00 自宅到着
・26:00 就寝
このようなスケジュールで1日が終わり、週の半分が出張という状況です。
デンタル・マーケティングの提供するコンサルティングのスタイルは、それぞれのクライアント(契約歯科医院)へ訪問して、院長やスタッフの皆さんとともに経営改善に役立つと思われる対策を検討しながら改革に取り組む方法を基本としていますので、皆さんが想像されているコンサルタントのイメージとは多少異なるかもしれません。
私は、広島県で生まれ、家族の構成は、両親、姉、弟の5人家族です。
私が医療のコンサルティングに興味を持つことになったきっかけは、ある体験の影響が大きいかと思います。
それは、大学3年の頃の出来事でした。
実姉の長男が1歳になり、ようやく歩けるようになった頃でした。
ゆで卵をゆでるために湯を沸かしている鍋に、手をかけて鍋一杯のお湯を、頭、顔、カラダ等、カラダのいたる部位にかぶってしまったのです。
当然、全身火傷の状態で私が病院に到着した頃には、意識の無い状況でした。
その状況をみた時に、「大学でどんなに法律の勉強をしても、この子の小さな命ひとつさえ救うことができないのか。」、「自分が毎日学んでいる法律学という学問は何の意味があるのだろう。」と自分自身が何もしてあげられないことに対して無力さを感じました。
その後、幸運にもその子は一命をとりとめ、現在、20歳を超える年齢まで成長しました。
私は、この経験をきっかけに、医療に何かしらのかたちで貢献できる仕事がしたいと思うようになったのです。
私は、歯学部や医学部を卒業したわけではありませんから、救いを求めて医療機関へ来院される方々を救うことはできません。
しかし、そのような方々のために、日々、努力している歯科医師、医師やスタッフの皆さん、医療業界の発展に尽力されている業界関係者の方々のお手伝いをすることができれば、どんなに素晴らしいのだろう。
それが自分自身の与えられた役割であるのではないか、そう考えるようになったのです。

自分の思い通りに物事がすすまない時に、その事実をどのように受け止めるかで、人生の結果は大きく変わってきます。
結果が悪い時に、原因を自分以外に求めて、「自分はついていないなあ。いつもこうだ。」、「○○さん、のせいでこうなったんだ。○○さんさえ、いなければ・・・」、「会社やクリニックが悪いから自分は成長しない」というように自分以外に原因を求める習慣が身についてしまうと、その後につながることは何もありません。
考え方を変えることで行動スタイルが変化し、行動変化の積み重ねで、人生の結果が変わっていくのです。
また、組織のメンバー一人一人も生きてきた環境(家族構成、仕事を通しての経験、等)が異なりますので、仕事に対する価値観は異なるのが当然です。「仕事」をどのように捉えているのかで、その後の結果は大きく変わっていくのです。
私は、「仕事」を下記のように考えています。
歯科医院や会社の中で取り組む仕事は、自分自身を磨く最大の道場です。
仕事に精通するということは、人生をよりよく生きるということと同じくらい大切なことです。
仕事の結果は、考え方や一挙手一投足で大きく変化します。
人生も、また同じです。
だからこそ、一つ一つの小さな要素に全てをかけるという気持ちが重要なのです。
その積み重ねで、10年後の自身の成長の度合いは変わってきます。
毎日100%の力しか発揮しないのであれば、1年後も100%の能力のままです。
毎日の仕事への取組む姿勢が、その後の人生を決めていくのです。
ダーウィンは、その著書である「種の起源」の中で、「生物が生き残るうえで最も重要な能力は、強いことでもなく、賢いことでもなく、変化への適応能力があるかどうかということである」と説いています。
「今までの私はこうだった・・・。」、「私は、この程度で十分。」というような既成概念にとらわれることなく、新たな意識での取り組むことが重要です。是非、皆様とお会いして、仕事について、人生についても語り合うことができることを心より願っております。